⑦ 痙縮・拘縮との闘い――ボトックスと可動域を守るリハビリ

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退院後、私を悩ませた大きな問題の一つが痙縮と拘縮でした。左手の指は勝手に握り込み、特に小指は強く曲がります。朝は夜間スプリントのおかげで開いていても、手を洗うように両手を合わせただけで、麻痺した左手の指が右手をつかむように閉じてしまうことがあります。

健康な手なら、力を抜けば自然に開きます。しかし麻痺した手では、「力を抜く」という感覚自体が難しい。痙縮が強くなると爪が手のひらに当たり、痛みや皮膚トラブルの心配も出てきます。

ボトックスという選択肢

私は痙縮への対処としてボトックス注射を受けています。1回目は2025年11月、2回目は2026年2月、3回目は2026年8月でした。注射する部位や量は診察で決められます。

私の場合、効果を実感しやすいのは注射後しばらくしてからで、6週間前後が一つのピークと感じています。その時期に可動域を確保することを意識してリハビリをしています。

「動かす」だけでなく「固めない」

以前はテーブルをタオルで拭く練習をしていましたが、今は壁を拭く練習もしています。肩や肘を大きく使い、身体全体の動きを引き出すためです。

ボトックスは魔法の注射ではありません。注射だけで元に戻るわけではなく、効果がある時期にどのようなリハビリをするかが大切だと実感しています。

発症直後の本人や家族には、痙縮、拘縮、装具、ボトックスなどの対処方法そのものを早く知ってほしい。知らなければ「こういうものだから仕方がない」と思ってしまいます。選択肢の存在を知ることが、次の一歩になります。

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