④ 回復期リハビリ――わずか3mm動いた人差し指と紙コップを持てた日

左手で紙コップを持とうとしてポロリと落としてしまうリハビリの様子 絆ネット

急性期病院から回復期のリハビリ病院へ移って1週間ほどしたころ、左手の人差し指がほんの少しだけ動きました。

距離にすれば約3mm。しかも、ゆっくり、ゆっくりです。それでも私にとっては大きな変化でした。療法士さんと、人差し指でトントンするような練習を繰り返しました。動かなくなった指に、もう一度「動け」と教えるような時間でした。

紙コップを持てた40秒

やがて、紙コップを左手で持つ練習をしました。紙コップはとても軽いものです。それでも当時の私には大仕事でした。

初めて持てたとき、その様子を40秒ほどの動画にして家内へ送りました。家内はとても喜んでくれました。

リハビリ中、左手で紙コップを実際に持つことができた時の記録
20分かけて、やっとここまで。左手で紙コップを持てた時の実際の記録です。

健康な人から見れば「紙コップを持っただけ」です。しかし、退院時の左手の握力は0.2kgほど。プラスチックのコップも十分に扱えず、500mlのペットボトルも持ち上げられない状態でした。

小さな回復は、小さくない

リハビリでは、できないことばかりを見ると心が折れます。反対に、3mm動いた指、数秒持てたコップ、昨日より少し安定した立位。その小さな変化を拾っていくと、先へ進む力になります。

私にとって紙コップを持てたことは、単なる訓練結果ではありませんでした。「元の生活を取り戻す」ための、はっきりした第一歩でした。

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