入院して4日目ごろから、歩く練習が始まりました。左足全体を太ももまで覆う、ごつい金属製の長下肢装具を着け、病院の廊下で手すりにつかまりながら進みます。
当時の左足は、自分の意思で思うように動かせる状態ではありませんでした。膝が折れないよう装具で支え、まず右足へ体重を乗せる。次に左足を前へ出す。そして右足を進める。歩くという動作を、一つ一つ分解して覚え直すような訓練でした。
「歩く」は全身の連携だった
倒れる前は、歩き方など考えたこともありません。しかし麻痺すると、足を前に出すだけでは歩けません。膝が支えられること、足首が安定すること、反対側へ体重を移せること、身体のバランスを保てること。その全部が必要だと身体で知りました。
訓練が進むと、太ももまで覆っていた部分を外し、足首から下を支える短下肢装具へ移っていきました。膝を装具に任せきりにせず、自分の力で支える段階へ進んだということです。
ほんの少しでも「自分でできた」を増やす
その日の訓練だけを見れば、数歩進んだだけに見えることもあります。しかし、昨日できなかったことが今日少しできる。それを積み重ねるのがリハビリでした。
私の場合、歩行の回復は一直線ではありません。膝折れ、反張膝、足の内反、痙縮など、退院後まで続く課題もあります。それでも、この入院4日目ごろに装具を着けて立ったことが、「もう一度自分の足で移動する」ための始まりでした。


コメント