
8050問題・介護・ペット――別々の問題を、一つの「暮らし」でつなぐ
8050問題があります。高齢になった親と、長く社会との接点を失っている子ども。一方では、一人暮らしや介護に不安を抱える高齢者がいます。そして高齢になるほど深刻になるのが、犬や猫などのペットの問題です。
「自分が入院したら、この子はどうなるのか」「施設に入ることになったら、一緒に暮らせるのか」。これらを、それぞれ別の問題として考えるのではなく、つなげることはできないだろうか。これが、絆ネットで考えている一つの提案モデルです。
4LDKの普通の家から始める
例えば4LDKの住宅。LDKをみんなが集まる場所として、3つの個室には80代の高齢者が暮らします。犬や猫も、大切な家族として一緒に暮らします。ここを大きな施設にするのではありません。できるだけ普通の家に近い、小さな共同生活の場です。
引きこもりから、今度は誰かを支える側へ
8050問題などで長く社会から離れている人に、いきなり「働きなさい」と言っても簡単ではありません。まず人と関わるところから始める。介護について学ぶ。そして本人が希望すれば、介護福祉士などの資格取得を支援する。
資格を取得した人たちには交代制でこの家に通ってもらい、高齢者の生活を支える介護の担い手になってもらう。支援されていた人が、やがて誰かを支える人になる。そんな循環を作れないかと考えています。
ペットも置き去りにしない
高齢者だけを支援して、犬や猫の問題を後回しにするのではありません。人と動物を一緒に支える。高齢者にとっては、大切な家族と離れずに暮らせる安心があります。そして社会との接点を取り戻そうとしている人にとっても、犬や猫との関わりが、人と関わるための小さなきっかけになるかもしれません。
一軒の家だけで支えるのではない
この構想は、一軒のシェアハウスと数人の介護職だけで完結させるものではありません。高齢者の生活を支えるには、介護だけでなく医療、訪問看護、ケアマネジャー、地域包括支援センター、行政などとの連携が必要になります。
犬や猫と安心して暮らし続けるためには、動物病院やペットの一時預かり、万一飼い主が飼育できなくなった場合の受け皿も必要になるでしょう。
そして、8050問題などで社会との接点を失っていた人が介護の担い手を目指すのであれば、資格を取らせて終わりではありません。学習、資格取得、実習、就労、そして実際に働き始めてからも支えていく。一人で抱え込ませない仕組みを作ります。
さらに、住まい、食事、移動、買い物、金銭管理、緊急時の対応など、実際に暮らし始めれば必要な支援はいくつも出てきます。必要なものを一つずつつないで、サポート体制そのものを充実させていくつもりです。
三つの問題を、三つの制度だけで考えない
8050問題。介護の問題。ペットの問題。行政や制度では、それぞれ担当する窓口が違います。しかし、一人の人間の生活の中では、すべてつながっています。だから支援する側も、つながればいい。
これはまだ小川が思い描いている構想段階のモデルです。実際に行うためには、住宅・介護・福祉・資格制度・人員配置・動物飼育など、解決すべき事項がたくさんあります。
「問題ごとに人を分ける」のではなく、「その人の暮らしを中心に必要なものをつなげる」。
一つの家を作ることが目的ではありません。そこに暮らす人、そこで働く人、そして一緒に暮らす動物まで含めて、安心して生活を続けられる仕組みを作る。それが、この提案モデルの本当の目的であり、絆ネットでやりたいことの一つです。


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